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ボスコ・ヴェルティカーレ、インターナショナル・ハイライズ・アワード受賞

Marina Miceli Marina Miceli Europe Press Office,London
20 11月 2014

ミラノに都市の森林を生む高層集合住宅プロジェクト、ボスコ・ヴェルティカーレが2014年インターナショナル・ハイライズ・アワードに輝きました。

インターナショナル・ハイライズ・アワードは、フランクフルト市、ドイツ建築博物館、独不動産デカバンクの主催する建築賞です。
ヨーロッパ圏内でも環境汚染の著しい都市部に位置する、高さ110mと76mの2棟の高層住宅はイタリア語で“垂直の森”と名づけられました。27階まで各室にテラスが設けられ、高さ3-6mの樹木が900本、5,000本の低木と11,000本に及ぶ花の苗が植えられています。このプロジェクトはサステイナブルハウジングの新たなプロトタイプを示すことになります。

建築主は米ディベロッパーのハインズ、意匠設計はボエリ・スタジオです。アラップは構造設計、地質エンジニアリングに加え、音響、振動、地下鉄の振動騒音、トンネル設計など、各種専門分野のコンサルティングサービスを提供しました。建物を基礎免振構造とすることで、敷地直下を走る2路線の地下鉄の影響を回避することができました。

都市環境の再生の新たなモデルとして、計40,000m2に及ぶ生物の生息環境をデザインによって生み出しました。ミラノの加速する環境汚染に対峙し、都市に生息する生物の多様性を広げようというのが、建築家のねらいです。配された緑の木々はエネルギーの創出にも寄与します。また、二酸化炭素や空気中のほこりを吸着し、酸素や水を作り出すことで、周囲の環境を改善します。

ボスコ・ヴェルティカーレでは、二部屋のコンパクトな住戸からペントハウスや二世帯といった大きな住戸まで、あらゆる住戸に緑を植えた奥行3.35mのバルコニーが用意されています。2棟のタワーのエネルギー自給率を上げるために、太陽光発電システムも計画されています。

「このようなプロジェクトに携わる機会を与えられ、光栄です。これまでとは全く違う方法で、イノベーションを生み出すことができました。われわれはアラップならではの技術的なスキルによって、ミラノという高密な都市のど真ん中で、環境や生物多様性の問題に真っ向から取り組もうという建築家のアイデアの実現に、貢献することができました。」

--- アラップ・ミラノオフィス、プロジェクトマネージャー、ルカ・ブッツォーニ
ボスコ・ヴェルティカーレの建設は、かつて軽工業や工芸で栄えた歴史的な地区の再開発プロジェクト、ポルタ・ヌオーヴァ・イゾラ・コンプレックスの一環です。ボスコ・ヴェルティカーレの計画発表ののち、イゾラ地区の面積のうち70%が公共公園に指定されました。公共施設、住宅、商業施設からなる5棟の建物と3つの地下駐車場が建設され、緑豊かな新しい住宅地が生まれます。