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アル・バハール・タワーズ, アブダビ市

革新的なデザインにより、CO2排出量を40%低減

アラブ首長国連邦の政府系ファンドであるアブダビ投資評議会の新しい本部建物が、アブダビ市内に建設されました。イースタン・マングローブの自然保護区を見下ろし、さらにその先にサディヤット島とアラビア湾を望む絶好のロケーションです。

建物は、高さ150mのタワー2棟と、それらをつなぐポディウム、2層の地下部分で構成されています。アラップは構造、設備、防火、耐風設計、ファサードと、様々なエンジニアリングを提供しました。

タワーの東西南、三面のファサードは、特殊な日射遮蔽システムでおおわれています。傘のような膜のシェードが、太陽の位置に応じて個々に開閉し、動的に日射を制御するシステムです。この装置は“マシュラビーヤ”と呼ばれています。マシュラビーヤとは、伝統的なアラビア建築の窓に用いられる繊細な木格子のことです。砂漠気候の厳しい暑さを和らげ、環境と共生してきた先人の知恵が、現代の超高層ビルに展開されたといえます。この遮蔽システムにより、室内への日射負荷が20%ほど低減すると予測されています。
このほかにも、環境性能の向上や省エネを目的としたさまざまな取り組みが行われており、設計にはLEEDの指針も取り入れられています。

また、世界各地のアラップ事務所に所属している様々な専門コンサルタントが、音響やIT、照明、セキュリティ、輸送等の分野で協働したことにより、グローバルな知見がこのプロジェクトに盛り込まれました。国境をまたがる巨大チームの運営にあたっては、アブダビのコアチームが大きな役割を担いました。