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カリフォルニア・アカデミー・オブ・サイエンス, サンフランシスコ(カリフォルニア州)

LEED認証を取得した世界最大の公共建築

 1853年に設立されたカリフォルニア・アカデミー・オブ・サイエンスは、サンフランシスコ市の最大規模の文化施設です。以前の建物は1989年の地震で損傷したため、解体され、ゴールデンゲート・パークの元の場所に再建されました。最新鋭の設備をそなえたこの施設は、さまざまな技術や戦略が導入されており、現在、世界で最も環境に配慮して建設された博物館です。

総額4億8,800万ドルのこの施設は、アラップ、レンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップ、スタンテック・アーキテクチャーによる7年間の協働の後、2008年9月27日にオープンしました。このプロジェクトにおけるアラップの業務は包括的なものであり、構造、設備に関するエンジアリング、更には火災安全コンサルティング、ファサードエンジニアリング、照明デザイン、サステイナビリティ・コンサルティング、音響コンサルティングおよび歩行者の動線計画を含めたトータル・エンジニアリング・サービスを提供しました。

LEEDプラチナ認証

アラップはアカデミーと緊密に協働し、LEEDプラチナ認証取得に必要な要件を満たすべく、多くのサステイナビリティ戦略を提案、実証しました。
• 水効率の良いランドスケープ:グリーンルーフからの雨水吸収および再生水利用により、50%の節水
• 水使用の削減:排水の再利用、流水量の少ないトイレ、キッチン、シャワーを採用することで76.9%の節水
• エネルギーパフォーマンスの最適化:自然換気、廃熱回収、熱交換換気、外部遮光、人工照明の自動制御、自然光利用を通じて34%の電力削減
• 廃材利用の促進:旧博物館の解体時にでた廃材22,906トン以上が、道路建設等に転用された

冷暖房設備と外装

アカデミーの電力消費を抑制しつつ、優れた室内環境を提供するのは困難な課題でした。アラップのエンジニアは施設内の多様な空間に適合する、さまざまなソリューションや設備技術を探求し、LEEDプラチナ認証取得の基準を満たす仕様を決定しました。アラップのアプローチは、床から天井まで達するガラス・ウォール、自然換気、床輻射による補助的な冷暖房を用いながら、サンフランシスコの穏やかな気候を利用したものでした。

複雑な構造を解決

この設計におけるアラップの大きな役割の一つは、構造エンジニアリングです。主体構造、緑化屋根、トップライト、展示用水槽、熱帯雨林ドーム、プラネタリウムドームなどの複雑な構造へのソリューションを提供しつつ、レンゾ・ピアノ氏の建築感も維持しました。また、鉄、ガラス、コンクリート、アクリルなど多種多様な素材へのソリューションも提供しました。

地震に抵抗しない構造

アラップの構造エンジニアは、将来の地震に対し、建物を地中アンカーで固定して地震に抵抗する方法ではなく、基礎と地盤を固定せず、地震で揺れが生じた際は基礎が浮き上がることでエネルギーを開放する方法を選びました。地中アンカーをなしとする耐震コンセプトの本建物は、その性能に基づいて設計が行われ、地震に対する安全性が検証されました。


 

このプロジェクトにおけるアラップの業務は包括的なものであり、構造設計、設備設計、火災安全コンサルティング、ファサードエンジニアリング、照明デザイン、サステイナビリティ・コンサルティング、音響コンサルティングおよび歩行者の動線計画を含めたトータル・エンジニアリング・サービスを提供

火災から守る

アカデミーは常に稼働しおり、施設内には何百万点におよぶエチルアルコール漬けの標本があります。それらの安全を確保する事は、アラップのファイ ア・エンジニアにとって重要課題でした。ミスト放出による革新的な消火システムを提案し、火災テストによって有効性を証明しました。また性能設計を行うこ とで、レベルの異なるフロアを有するガラスの熱帯雨林ドームが、火災で来館者が避難する場合でも安全であり、また、排煙システムを必要としないことを証明 しました。

展示照明の工夫

アラップはアカデミーの展示照明計画でも、大きな役割を果たしました。ペンギン水槽の照明デザインでは、人工的に一日を作り出し、動物達が野生にい る時と同様の行動ができるようにしています。“水の惑星”をテーマにした展示では、ドラマチックな照明と海洋生物との融合、音響効果、ダイナミックな青色 の固体素子照明(SSL)と波打つ展示場の壁という特徴があり、この劇場の様な展示は来館者にあたかも海底にいるような印象を与えています。熱帯雨林ドー ムでは、アラップの照明エンジニアはガラスドーム内の日射量を測定し、曇天でも植物への照射不足が補完できるよう、人工照明を計画しました。

音響に関する配慮

アカデミーの内装はその殆どがコンクリートの床と壁に囲まれたオープンスペースであるため、音響に対するソリューションは必須でした。アラップは展 示エリア、プラネタリウム、回廊、熱帯雨林ドーム、講堂、研究所や事務所に音響に関するソリューションを提供し、利用者の行動による音の反射をコントロー ルすると共に、話し声の反響を制御しました。

人目を引くこの建物の特徴は、2.5エーカーの波打つ緑の屋根、その周辺部には太陽電池を支えるスチール・キャノピー、網目状に張り巡らされたテンション構造の大きなトップライト、支柱なしで自立する直径90フィートのプラネタリウムの球状ドーム、5つの展示水槽、熱帯雨林展示場の直径90フィートのガラスドームです。
【動画(英語)】このプロジェクトの概要、建物の特徴について