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DoCoMo Telecommunications tower; DoCoMo Telecommunications tower;

ドコモ関西 大阪南港ビル通信タワー, 大阪府大阪市

大阪湾をのぞむ、ケーブルタワー

このタワーは「ドコモ大阪南港ビル」(地上12階建、高さ約55m、鉄骨造、免震構造)の屋上に搭載された、最高高さ約200mにおよぶ通信用タワーです。大阪湾を臨むコスモスクエア地区に建設されたドコモ大阪南港ビルは、NTTドコモ関西の移動通信ネットワーク拠点を構築するために計画されました。機能性、信頼性、安全性の確保はもちろんのこと、地域景観との調和を重視し、周辺環境および自然環境の両面における共生を目指したデザインとしました。

“通信用アンテナを設置する6枚のプレートをビルの上に浮かせる”、これが設計に際しての主目的であり、かつビルの内部は無柱空間とすることが求められました。しかし一般的な鉄塔を搭載してしまうとそれを支持するための柱が建物内部を貫通し、無柱大空間の構成が難しくなってしまいます。そこで「6枚のプレートを串刺しにした1本のマストを、ケーブルによって支持する」という架構システムを考案しました。

ビルの上にそびえる高さ200mのケーブルタワー。

タワー全体をケーブル立体トラス構造としたこのデザインは、使用材料が通常の鉄塔よりかなり少量にも関わらず、ケーブルに緊張力を導入することにより剛性が高く、あわせて3種類の異なる制振装置を適所に配置することで、地震や風に対する安全性を十分に確保しています。設計に際しては美しさと機能を兼ね備えたディテールを意識し工夫を重ねました。
またタワーライティング・デザインは、そのテーマを“Conversation(会話)”とし、シンボル的にそのタワーの輪郭全体をライトアップするのではなく、周囲とコミュニケーションを図ることを主軸に置いた、エネルギー消費を抑えたデザインとしました。約600台の省電力・長寿命のLED照明器具を6枚のプレート外周部に計画的に配し、コンピューターによる調光・点灯制御によりさまざまな演出を可能としました。

「ライティング・オペラ ~ 光の妖精」と名付けられた一連のライティングプログラムは、4幕のストーリーで構成されています。日没から深夜にわたり“妖精の舞”をイメージした光のステージが毎晩くり広げられ、このタワーが見える場所に居る人はだれもがこのコミュニケーションを楽しむことができます。