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Exterior biew of HSBC Main Building (c) Ian Lambot; Exterior biew of HSBC Main Building (c) Ian Lambot;

HSBC Headquarters 1 Queens Road Central, 香港

1986年竣工、未だ輝きを放つノーマン・フォスター氏によるオフィスビル

香港上海銀行(HSBC)香港本社屋は、竣工から20年以上の時を経た現在もなお、高度な技術を巧みに組み込んだ、世界有数の名建築と知られています。

高さ180mのタワーは、地下4階を含めると全部で47フロア、延べ10万m²を供し、その全てが香港上海銀行専用のオフィスとなっています。

HSBC本社屋の大きな特徴は、8本の巨大なマストです。この巨大なマストはそれぞれ4本の鋼管で構成され、垂直方向を5つのゾーンに分節する、2層分の高さのサスペンショントラスを支えています。このトラスはマスト間33.5mをスパンし、さらに外側へと10.7m張り出しています。この構造システムで荷重を全て負担しているため、地上レベルには壮大な無柱空間が生まれました。

もうひとつの大きな特徴といえるのは、高さ40mのアトリウムです。アトリウムの最上部には巨大な反射板が配されており、反射板(サンスクープ)はパブリックプラザをめがけて、アトリウムに自然光をそそぎます。このデザインは自然光を最大限活用し、照明エネルギーの低減にも寄与しました。

HSBC本社屋は、その他にも進歩的な概念や技術を多くとりいれています。プレファブリケーションされた設備モジュールや全フロアを貫くエスカレーターの縦動線、最新のセキュリティシステム、床吹き出し空調等がその一例です。1986年の竣工時、この建物はハイテク本社ビルとして、新たなベンチマークを示したといえます。

革新的な構造デザイン

オフィスにおいてプランの自由度は、フレキシブルな空間利用とその展開の可能性を握っています。アラップによる吊り構造のデザインは、床を構造的な制約から解き放ち、自由度の高いプランを実現させました。さらに、将来的に法制度が改正されれば、およそ30%の増床も可能です。

現場周辺が建て込んでいたこと、工期が短くスケジュールがタイトであったことから、施工には、プレファブリケーションが多く取り入れられました。世界各地で製作されたプレファブ部材は、現場に輸送され、その場で完璧に組み合わせる必要があります。これには、過去の建築史上類をみない、ち密なエンジニアリングと、精度の高い組立て能力が求められました。また全体工期を短縮するため、基礎工事は上部架構と同時並行で施工が進められるように計画されました。