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Mori Ogai Memorial Musuem; Mori Ogai Memorial Musuem;

文京区立森鷗外記念館, 東京都文京区

街並みに溶け込む小さな記念館

小説家、森鷗外の生誕150周年を記念して2012年11月に開館。文京区は鴎外がその半生を過ごし、今もなお、静かな下町の街並を残しています。記念館はこの街並みに配慮した小さな落ち着きある建築です。延床面積は1,360m²、地上2階、地下2階で構成しています。街並みへの配慮から地上部分のボリュームを抑え,地震や温熱の影響を受けにくい地下に、大きく魅力的な展示空間と、貴重な資料の保全のために高性能な収蔵庫を設けました。アラップはこの記念館の構造、設備、火災安全設計を担当しています。

 

地下の展示空間

構造は建築計画に沿った、床と壁のみによるシンプルな構成とし、建築家が求める連続性のある空間に配慮しました。設備は魅力的な空間を実現しつつ、省エネルギーな建物とすることを目指しています。
展示室のコンクリート仕上げによる天井は、まさに設備と構造の一体化により実現可能としています。1階の床仕上げと構造スラブの間に生まれた床下空間を、設備展開スペースとして利用しています。コンクリート天井の一部にアルミパネル面を設け、照明、機械警備、ガス消火、煙感知器といった展示空間の機能確保に必要な設備を集約配置しています

 

貴重な資料を守る

収蔵庫及び展示室は、貴重な資料を水損の被害なく火災から守るために、ガス消火設備を採用しました。また避難安全検証法により機械排煙設備の適用を除外し、整合のとれた来館者、運営者の人命の安全を確保する防災計画としました。