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大英博物館がワールド・コンサベーション・アンド・エキシビション・センターを公開

Jerman Cheung Jerman Cheung East Asia Press Office,Hong Kong
10 7月 2014

ロンドンの大英博物館敷地内に新たに建設された、ワールド・コンサベーション・アンド・エキシビション・センター(WCEC)がオープン

 

大英博物館では、2014年3月のセインズベリー・エキシビション・ギャラリーのオープンに続き、ワールド・コンサベーション・アンド・エキシビション・センター(WCEC)がオープンを迎え、博物館の機能が大きく拡充しました。これにより、文化遺産の展示、保存、調査、研究あらゆる分野を世界的にけん引する大英博物館の存在感が、さらに強まりました。

アラップは、建築設備をはじめ、エレベーターの計画などを含むバーティカル・トランスポーテーション、音響、火災安全、セキュリティ、照明等の各種設計・エンジニアリング業務を提供しました。建築設計を担当したのは、ロジャース・スターク・ハーバー・プラス・パートナーズです。展示室の環境を正確かつ効果的にコントロールする最新の設備デザインは、アラップとロジャース事務所の緊密な連携によって実現しました。

熱回収システムや可変風量装置が備えられた換気設備、研究施設から発生するガスや粉じんの排出設備、照明の制御システムなど、エネルギーと環境に関わるデザインには、革新的な要素が多く採り入れられています。こういった工夫によって、貴重な展示品の数々の保管に係るエネルギーを最小限に抑えることができました。

18,000㎡の増築部分は、4つの連続した展示室と、既存棟の地下に配された5つ目の展示室から成り、相互に行き来ができるように計画されています。内部には、最新の研究設備を備えた保存・研究部門、展示物の搬出入エリア、事務所、保管倉庫も配置されています。この構成はセインズベリー・エキシビション・ギャラリーも同様です。機能を集約することで、大英博物館のオペレーションの大部分を一か所で行うことができるようになりました。

「このプロジェクトは、近年アラップが手がけたロンドン市内のプロジェクトの中でも難易度の高いプロジェクトの一つです。用途上の要求が多い建物では難しいといわれる、BREEAMエクセレントの取得を目指しており、屋上に太陽光発電設備を設けるなど、ゼロカーボン技術も盛り込まれています。建築設備の設計においては、意匠を損なわないよう、構造や建築との調整を重ねました。」

---アンドリュー・セドヴィック(アラップ、プロジェクトダイレクター)