キリスト教会が運営する、チャーチスクールと保育園の複合施設(木造2階建、延床面積約530㎡)です。子供達が緑の多い地域の中で、木をよけたり取り囲みながら駆け巡り、自然豊かな森の中でのびのびと過ごせるように計画された、屋内と屋外の新しい混ざり合いの建築です。
アラップは、構造設計と現場監理を担当しました。
耐震設計
構造架構には、総ガラス張りの建築コンセプトに合わせ、筋交いや合板壁を使用しない『透明な木造』を提案しました。
グリッド状に配した木造フレーム内の5つの中庭部分に、ガラスファサードと一体となる鉄骨無垢柱の鉄骨ラーメンフレームを埋め込むことで、鉄の存在感を消しながらも地震や暴風などの水平力に抵抗するシステムとなっています。
さらに、子供たちの安全性や災害時の避難場所となることを考慮し、耐震性を高めながらも、木の質感、在来木造のスケール感、建物の透明感を維持できる『Damping Glass Wall System (ガラス制震壁)』を採用しました。ガラスパネルと一体となるダンパーに地震時のエネルギーを吸収させることで、建物の振動を低減できます。
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透明性を確保しながら、十分な水平剛性を確保した構造システム
構造解析・実大実験
建物の安全性を確認するために、地震波を用いて3次元解析モデルによる時刻歴応答解析を行いました。また、実大スケールのガラス壁の試作品を元に、接合部の設計や、ガラス壁の安全性の確認を行いました。最終的には現地にて実際の建物に加震し、ガラス制震壁が機能するかの測定を行い、適切に減衰することを確認しました。