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女川町仮設住宅, 宮城県女川町

運送用コンテナを利用した、多層仮設住宅の建設

2011年3月11日に東北地方沿岸を、マグニチュード9.0の地震と津波が襲いました。女川町では町の中心部分が、高さ15mの津波で完全に流されてしまいました。

家を失ってしまった人々に仮設住宅を提供するために、世界中で災害援助プロジェクトを展開していることであり名な日本の建築家、坂茂氏が運送用コンテナを利用した、日本初の多層仮設住宅の建設を提案しました。アラップの技術サポートを受けて、坂氏は市長に直接かけあってプロジェクトを開始すべく援助を受けました。

山の多い土地で津波の高さより高い平地が限定されていたため、通常の一階建ての仮設住宅では十分な住宅が提供できない状態でした。アラップは構造設計と監理を担当しました。

住宅の安定性を向上させ地震や風の影響を分散させるために、ISOコンテナとフレームコンテナを市松模様のように配置しました。建設を簡略化するために各コンテナを連結するのに海上輸送で使用される接合金物が使われました。一般的な仮設住宅に比べ、コンテナを利用したこの住宅は十分な強度があるとともに、遮音性に優れています。

189住戸、延床面積5,670 m²の仮設住宅は無事13週間内で完成し、津波で家を流されてしまった女川町の人々は、新しい仮設住宅に入居してきました。この建物は必要であれば分解して容易に運搬し、他の被災地で再利用することができます。