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I Project Skylight, 東京都新宿区

地下まで光がやわらかく降り注ぐ、あかるい空間

この建物は、大日本印刷 市谷工場整備計画の大規模建替工事の1期工事として完成した、地上階にオフィス、地下階に工場が入居する建物です。地上5階、地下3階の建物の中央部に12m×12m、高さ40mの吹き抜けを有し、その上部にトップライトが設置されています。この最下階が、井戸の底のような空間にならないよう、アラップは、吹き抜け部に明るさを与えるアイデアをファサードとライティングの両面から求められました。

ファサードは、トップライトの形や構造をシンプルすることで、光が多く入るよう、工夫しました。トップライトには、光を拡散するルーバーを配置して、より多くの光を地下階へ送るアイデアを提供しました。シミュレーションによってその効果を確認し、模型実験で検証しました。また、ライティングでは、トップライトの梁や天井のエッジに照明器具を取り付け、部材の裏面の影を消して空間の明るい表情を高めることを提案しました。 このような工夫により、クライアントが要望する、地下までやわらかく降り注ぐ光にあふれる空間を、作り出すことができました。

 

トップライトの形状・構造のスタディ

トップライトは、光をより多く取り入れるため、南側へ傾けています。また、建物の高さ制限まで余裕があったため、トップライトの設置高さを3m上げ、側面からも光が入るデザインとしました。トップライトの梁は、その存在を感じさせないよう、厚さ22mm、高さ1mの白く塗装したスチールプレートを格子状に組んだものとし、見上げて目立たない位置に柱を立てるデザインとしました。

屋上のトップライトの周辺床面にルーバーを配置し、鉛直の光を折り上げて、側面ガラスを介して白い梁を照らすなど、トップライトに光を集める工夫をしました。夏季の数時間は、直射光が下階へ入射しますが、吹き抜け周りは執務空間ではないことからその部分への直射光の入射は許容されました。トップライトがもたらす光の効果はもとより、明るく照らされたトップライトがあたかも浮いているように見える視覚効果も重なり、クライアントにも大変好評です。

プリズムルーバーのシミュレーションと模型実験による効果の検証

光を下階へ送る仕掛けとして、プリズム形状が刻まれたアクリル製の板(レンチキュラー)のルーバーを、構造の格子内へ十字に取り付けました。レンチキュラーの光の反射・拡散量は、Rhinoceros®のアドインプログラムであるGrasshopper®を用いて、幾何学的な解析を行い、求めました。

レンチキュラーは、プロジェクタなどの光学機器に用いる既製品の中から、太陽光入射角に応じて最適なものを選択しました。シミュレーション結果の検証として、実際の10分の1の模型実験を作製して、太陽光のもとで、夏期と冬期の測定を行い、クライアントに効果(明るさ)を実感してもらうことができました。プリズムルーバーで屈折した光は、吹き抜けに光を行き渡らせ、地下を感じさせない明るさを提供しています。

 

室内デザイン

吹き抜けの明るさを演出するため、吹き抜けに面する壁面、床、また手すりなどの材料は反射率を考慮して選択しました。また、吹き抜け内部の垂直壁面の南面にも、光の入射角に応じてレンチキュラーを配置し、光を下階へ送る仕掛けとしました。この壁面のレンチキュラーは、5階から鑑賞することができます。