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深圳海上世界文化芸術中心, 深圳市

深圳の海上世界エリアのランドマークとなる文化施設

アラップは、世界最大の装飾美術とデザインを誇る博物館、英国のヴィクトリア&アルバート(V&A)博物館と長年にわたり協働を続けてきました。本建物は、V&A博物館にとって初の海外展開となる大規模な複合文化施設であり、アラップはその設計をサポートすべく、中国のChina Merchants Group(CMG)のパートナーとしてプロジェクトに携わりました。

アラップのロンドン、東京、深圳、香港の各オフィスのエンジニアたちは幅広いサービスを提供し、活気ある中国南部の都市が自国のデザイナーたちのクリエイティブな拠点として機能するよう、戦略的な取り組みを進めました。

プロジェクト概要


英国外への展開 V&A博物館

 71,000複合文化施設の延床面積

V&A博物館 初の海外展開

中国深圳の蛇口半島の海上世界エリアに位置する本建物は、「デザインソサエティ」としても知られており、4つのアートギャラリー、多目的ホールと文化活動に関連する商業施設で構成されています。延べ床面積は71,000m²におよびます。

本プロジェクトは、英国の美術館と中国のCMGの初の共同プロジェクトであり、建築家はプリツカー賞受賞者である槇文彦氏が担当しました。各国から異なる専門のスタッフが関わるため、社内ネットワークを存分に活用したグローバルな協働プロジェクトとなりました。

アラップは、V&A博物館の目指す、学び・楽しみ・インスピレーションのための空間を提供し、人びとの交流と参加を促すとともに、深圳のデザインや製造分野の活性化に貢献しています。

© Kerun Ip

グローバルネットワークを生かした協働

アラップは2012年の夏からプロジェクトに参加しました。東京オフィスは、建築家の槇文彦氏の事務所と密に協力し、構造の基本設計とファサードの設計を行いました。深圳と香港オフィスの設計チームは、美術館とギャラリーに関する環境解析とセキュリティを担当し、ロンドンオフィスは、豊富な専門知識を生かして複雑な課題を抱えるクライアントをサポートし、美術品保存に適した室内環境の実現に携わりました。

ユニークな構造を備える文化的ランドマーク

設計において重要な課題となったのは、基壇建物の上部から突き出すキャンチレバーの巨大なボリュームが、それぞれ周囲の都市、公園、海、と異なる方向を向いていることでした。必要な展示スペースを確保するという3次元的な計画上のパズルを解きながら、構造設計におけるさまざまな解決策と実行可能なフレーム形状を模索する必要がありました。設計の後半には、アラップのファサードエンジニアも参加し、グレージングやサポート戦略をより強固なものにするべく建築家をサポートしました。

コレクションを守るセキュリティ

ギャラリーでは、V&A博物館が所有する230万点にも及ぶ常設コレクションの中から、さまざまな分野の作品を展示しています。アラップは、この貴重なコレクションを保護するため、物理的なセキュリティ対策や運用上のセキュリティ手順、CCTVやアラームシステムなどの電子システムのコンセプト提案を含む、セキュリティレビューのコンサルティングサービスを提供しました。また、国際的なベストプラクティスや美術館の設計ガイドラインを考慮し、リスクベースのアプローチを採用。さらに、デザイナーやオペレーターとのワークショップも開催するなど、利用者の要望や運営コンセプトを確認した上で、ギャラリーの安全性を最大限に確保するための包括的な計画と環境設備システムの設計ガイドラインを作成しました。