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Myoenji Columbarium; Myoenji Columbarium;

無量光 明圓寺納骨堂, 福岡県飯塚市

エネルギーを使わない革新的な納骨堂

かつて炭鉱で栄えた福岡県飯塚市に「無量光 明圓寺納骨堂 清淨殿」はあります。延床面積335m²、平屋建てのRC造です。アラップはこの納骨堂の構造、設備、ファサード設計を担当しています。

 

いかに明るい空間を造るか

建築家の古森弘一氏は、先祖との繋がりが希薄になりがちな現代だからこそ「気軽に立ち寄れる納骨堂」を実現したいと考え、全面トップライトとした万遍なく明るい納骨堂を目指していました。また「納骨堂は限定された季節(お盆)に参拝者が集中し、長時間滞在しない」ということに着目し、「室内環境を制御する空調設備・照明は必須なのか?」とも考えました。古森氏の発想をもとに、新しい挑戦が始まりました。

 

相反する条件をいかに乗り越えるか

全面トップライトの採用は、明るさを呼び込むと同時に真夏の熱も呼び込みます。エネルギーを使わない建築を実現するには厳しい条件の中、アラップは革新的、総合的な提案により実現へと導きました。木梁を格子状に積層させる独特な屋根裏構造は、直達日射を遮ると同時に、空気の流れを邪魔しない効率的な換気を可能としました。結果として、コンクリート壁の蓄熱効果もあり、1年で最も暑いお盆時期の晴れた日中でも、室内は外気温度より5℃程度低く、照明がなくても1300luxの快適で明るい空間を実現できました。

 

様々な役割を担う構造部材

木梁は屋根を支えるだけでなく日射遮蔽も担います。木梁の倒れ止めロッドは、ガルバリウムの日射遮蔽板を支えるカーテンレールのような役割を果たします。コンクリート壁は壁厚400mmとすることで、耐震壁としても蓄熱装置としても機能します。このように各構造材は空間を構成するだけでなく、環境装置としての役割も果たしています。