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ヘップワース・ウェイクフィールド, ウェイクフィールド、ヨークシャー

ロンドン市外最大級の専門ギャラリー

イングランド北部、ヨークシャーの水辺に、印象的な美術館があります。デビット・チッパーフィールド・アーキテクツ設計のヘップワース・ウェイクフィールドです。 アラップは自然光と人工光を併用したギャラリーの照明計画と、美術館全体のセキュリティ計画を担当しました。
ギャラリーには、世界的な彫刻家、バーバラ・ヘップワースの彫刻作品を中心に、歴史的な美術作品や現代美術作品が展示されています。

照明計画

ギャラリーは、大小さまざまな台形平面の空間が連続した、クラスター状の構成となっています。照明計画のコンセプトは、彫刻の展示に最も効果的で、作品の保存にも配慮した計画とすることでした。 アシンメトリに配置された窓とトップライトから自然光を採り入れ、柔らかでありながらも、明るさに明確な強弱をつけることで、幅広い作品を一つの空間に効果的に展示しています。 アラップのライティング・デザイン・チームは、各室の年間を通した日照範囲を把握するため、“ライト・マッピング”ツールを開発しました。光に対する感度が作品によって異なるため、作品のレイアウトにはこのマッピングが活用されました。キュレーターとも協働して検討を進め、作品の適正に応じたレイアウトが実現しました。

セキュリティ計画

セキュリティに関しては、建築的な防犯対策と、セキュリティシステムのコンサルティングを担いました。アラップのセキュリティ・チームは、全体計画を練ったうえで、壁やドア、窓といった建築的な対策とセキュリティシステムのスペックを整理し、施工時の統括も行いました。 プロジェクトの初期段階から参画し、セキュリティ・エキスパートが職員や建築家チームと密に連携することで、必要な要素を漏れなく建築に組み込むことができました。 結果として、ヘップワース・ウェイクフィールドのセキュリティ対策は、英国の民間博物館・美術館を束ねるミュージアム・ギャラリー・コミッション(現在は廃止)の定める要件を全て満たしたため、英国政府による美術品の保証制度が適用されました。これにより、ギャラリーではアウトリーチの活動や企業イベントの主催なども行われています。