高さ57m、地上12階、地下2階建て、延6,000㎡のアルマーニ銀座タワーには、アルマーニのオフィス、ショールーム、店舗、レストラン、スパ施設が収められています。このビルはもともと、不二越ビルディングがテナント・オフィスビルとして計画していたものでした。建設が進む中、アルマーニが10年間の定期賃貸借でビルを借り受けたことから、ベースとなるオフィスビルの構造や基本設備を大きく変えることなく、世界的なファッションブランドの旗艦店らしい装いに変更することが求められました。
アルマーニのデザインは、イタリアの設計事務所FUKUSASが担当し、これを日本の法規制に合わせて設計する役割を西森事務所が担いました。当然、ベースビルの設計はすでに完了しており、確認申請どおりに建設は進んでいます。FUKUSASのデザインを実現するにあたっては、多くの法的な課題や技術的な課題が発生しました。そこで、技術的な課題を解決する役割を託されたのがアラップです。
当初予定をしていた低層部の外装設計に加えて、内部の階段やパノラミック・エレベーターの新設、これらに関する技術的なサポートも行いました。問題の解決には、多大な時間と労力を必要としましたが結果として、一般的なテナント・オフィスビルがベースになっていることを感じさせないブランドショップらしい、華やかな装いとなりました。