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ウェールズ国民議会議事堂, カーディフ

透明性の高い開かれた政治を具現化した、開放的な議事堂

カーディフ・ベイとブリストル海峡を見下ろす、ウェールズ国民議会議事堂の建築は、透明性の高い開かれた政治を目指してデザインされました。この特殊なプロジェクトにおいて、アラップは構造設計、都市計画、交通、ファサード、地盤工学、風環境やエレベーターに関するコンサルティングを担当しました。

この建物は、セキュリティに配慮した議場や議員用の個室を含むと同時に、市民に開かれた公共空間として計画されました。公開のレベルは三段階に区分され、そのうちの二つは市民に開放されています。3つの委員会室と60人の議員が一堂に会する議場を望む、カフェとギャラリーがそれに当たります。

特徴的な形態の屋根は、折板効果を利用して形成されています。ユニークかつ複雑なジオメトリを洗練させ、単純化することによって、デザインを妥協することなく製作、施工が可能になりました。

一方で、耐用年数120年の高耐候仕上げを用いるなど、サステイナブルデザインにも取り組んでいます。アラップのプロジェクトは、革新的であると同時に、実用性や経済的な合理性も兼ね備えているといえます。その他にも、単層の耐爆破ファサード、現場打ちコンクリートのフレーム、ノース・ウェールズのスレート屋根産業の豊富な資材を用いたスレートの外装と舗装等が取り入れられました。

波打つ屋根のデザイン

議事堂の平面デザインは、議会の基本概念を具現化したものです。スレートで造られた建物の土台となる部分は、海に面したこの公的な空間を しっかりと支え、市民を引き込みます。その上にかかる波打つ屋根は、建築の領域を明確にします。屋根は折板効果を利用して形態を保持しており、建物の中心 的機能である議場の、樹の幹のような漏斗状の形態とつながっています。

またこの屋根はスレンダーな列柱により点で支持され、26メートルをスパンしています。支点から8メートルの片持ちで張り出した庇は、ガラ スファサードの日射を遮蔽する役割を担います。この独特な構造は、緩やかではあるが折れ曲がった形を形成することで、剛性を高めるようにデザインされてい ます。

デザインチームは構造デザインプログラム、ライノセラス(Rhino)を用いて、構造性能、要素の反復性、施工性、外観の印象といった複数 の条件に最適な形態を作り上げました。最終的なジオメトリは、堅固かつ繊細なその形態を保ちながらも、個々の構成要素は製作、輸送、施工の容易なものある 必要がありました。

鉄骨躯体を請け負った施工会社もライノを使い、ナット、ボルト、スプライスプレート、エンドプレート、スチフナ等も含めた詳細なArup-X鉄骨躯体モデルを構築しました。そこでも、屋根が現場で容易に組み立てられることを確認しながら、モデリングが進められました。